【補足説明1】ハンドメイド作品販売価格の決め方《材料費、道具の費用、作業場の家賃・水道光熱費編》

【補足説明1】ハンドメイド作品販売価格の決め方《材料費、道具の費用、作業場の家賃・水道光熱費編》

この記事では、「【前半】ハンドメイド作品の 作家を永く続けられる、販売価格の決め方をわかりやすく解説《作品制作にかかる費用の計算方法編》」という記事の、制作してから販売するまでにかかる費用について、9つの項目に分けて解説します。

この記事に書かれている費用項目は以下の3つです。



その他の項目については、元の記事にリンクがございます。


 ① 材料費には、送料が含まれる。 

材料費とは、作品を制作するために使用した材料すべての費用をさします。

例えば、イヤリングを制作している作家さんでしたら、組み合わせるパーツだけではなく、接着剤や、接着剤を付ける際に楊枝などを使い捨てにしている場合はそれらの費用も計上しなければなりません。

また、ここで注意しなければならないのは、材料をネットなどで購入した場合の送料や、仕入れる際に生じた交通費も費用に含まれるということです。

計算方法としては、一回に作る作品の数量ごとに行うのがおすすめです。

その子さんの材料費(4セット作る場合)

ハンドメイド作品の材料費の内訳

1セットの材料費 370円 (繰り上げ)
 


 ② 作品を制作するのに使った道具の費用 

作品を作るためだけに使う道具の中に、10万円を超えるような高価な機械や工具がある場合、その道具の費用も算出することをおすすめします。

計上の仕方は、確定申告の際に行う、減価償却の計算方法を参考にしていただくとよいと思います。
道具の金額を耐用年数で割り、一年にかかる費用を計算してから、12か月で割って、ひと月にかかる費用を算出します。
この、ひと月にかかる道具の費用を、ひと月に売れる作品の数で割ると、作品一つ当たりの道具の費用を求めることができます。

文章で書くと、何言ってるわかりませんね。
それでは、実際に、その子さんのミシンの代金を計算してみましょう。


その子さんの道具の費用(ひと月に40セット作る場合)

その子さんは、5万円の家庭用ミシンと、14万円のロックミシンを使って、ドールのお洋服を制作しています。

ハンドメイド作品の製作にかかる道具代のケーススタディ

5万円の家庭用ミシンは、10万円以下なので、この場合道具の代金に含めません。

しかし、10万円を超えたロックミシンの方は、減価償却費用を求め、販売価格を決める材料にした方がよさそうです。

ロックミシンの耐用年数は5年なので、ひと月にかかる減価償却費用は、
140000円 ÷ 5年 ÷ 12か月 = 2333.33円

その子さんは3日に1度4セットの作品を出品し、ひと月の内には売り切れてしまうような人気作家さんです。

そのため、ひと月に売れる作品の数は、
( 30日 ÷ 3日 ) × 4セット = 40セット

ひと月にかかる減価償却費用(2333.33円)から、ひと月に売れる作品の数(40セット)を割ると、1セット当たりにかかる道具の費用が求められます。
2333.33円 ÷ 40セット = 58.3円

1セットの道具の費用 59円 (繰り上げ)

参考のために、下記に国税庁の資料より、減価償却資産の耐用年数表のリンクを添付いたします。
カメラなどものっているので、商品撮影用に高価なカメラをお持ちの作家さんも参考にしてみてください。


 ③ 作業場の家賃・水道光熱費は面積分だけ 

確定申告をする際に必要となるので、すでに算出している方も多いのではないでしょうか。

作業場の家賃を販売価格決めの材料にする場合、ひと月にかかった家賃を、ひと月に売れる作品の数で割り、作品一つに対していくらかかったかを算出します。
その際、家賃は作業場として使っている面積の割合分のみを計上します。

また、実家にお住まいであったり、配偶者が家賃やローンを払っていたりする場合などで、作家さんが支払っていない場合は、計上しなくてよいでしょう。

作品を作るためだけに生じた水道光熱費がある場合は、その分も費用として計上します。
例えば、作品作りに直接関係のない、休憩でお茶を飲む際に使用した水道光熱費等は、含めません。
制作時に、特別電気代をたくさん消費するような工程がある場合や、布を染色する関係で、大量に水道・下水道代がかかる等の事情がなければ、算出しなくて良いと思います。

販売価格決めのために水道光熱費を求める場合、毎月変動があるので、一年でかかった合計金額を12ヶ月で割り、平均を求めるのが良いでしょう。
月ごとに販売価格が上下してしまっては、お客様を混乱させてしまいます。


その子さんの作業場の家賃・水道光熱費(ひと月に40セット作る場合)

その子さんは、1DKで家賃7万円/月のアパートに暮らしています。
寝室に使っている部屋の半分を作業スペースや材料置き場としていて、その広さは、借りているアパート全体の面積に対して、1/7くらいです。

そのため、1セットにかかる作業場の家賃は、
70000円 ÷ 7 ÷ 40セット = 250円

制作時に、特別水道光熱費を使用する工程はないため、水道光熱費は計上しません。

1セットの作業場の家賃・水道光熱費 250円 (繰り上げ)



その他の販売項目をご覧になりたい方は下記リンクよりどうぞ。
 

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